不正行為等の調査
第30条 乙は、本共同研究に関して自己に所属する研究員による不正行為等に係る告発(報道や会計検査院等の外部機関からの指摘による場合も含む。)を受け付けた場合又は自らの調査により不正行為等が判明した場合(以下「告発等」という。)は、予備調査を行うものとし、不正使用にあっては、告発等の受付から30日以内に、また、不正行為等(不正使用を除く。)にあっては、あらかじめ定めた期間内(告発等の受付から30日以内を目安)に、告発等の合理性を確認し本調査の要否について、甲に書面をもって報告しなければならない。
2.前項により、乙が本調査を必要と判断した場合(以下本条において、本調査を行う乙を「当該乙」という。)、当該乙は調査委員会を設置し、調査方針、調査対象及び調査方法等について甲に書面をもって報告し、協議しなければならない。
3.本調査が行われる場合、当該乙は、不正使用にあっては、あらかじめ定められた期間内(告発等の受付から160日を目安に最長210日以内)に、また、不正行為等(不正使用を除く。)にあっては、あらかじめ定めた期間内(本調査の開始後150日以内を目安)に、調査結果(不正行為等に関与した者が関わる国の行政機関等の所管する競争的資金等に係る不正行為等を含む。)、不正発生要因、監査・監督の状況、当該乙が行った決定及び再発防止計画等を含む最終の調査報告書を甲に書面をもって報告しなければならない。
4.当該乙は、最終の調査報告書を前項の提出期限までに提出することができないとき、調査の進捗状況及び中間報告を含む調査報告書、報告遅延に係る合理的な事由及び最終調査報告書の提出予定日等について書面をもって当該提出期限までに甲に報告しなければならない。
5.当該乙は、調査に特段の支障がある等正当な事由がある場合を除き、甲の求めに応じて、当該事案に関する資料の提出又は甲による閲覧及び甲の指定する職員等による現地調査に応じなければならない。
6.甲は、本条第1項から第4項に定める報告の内容等が十分でないと認めるとき、当該乙において不正行為等の事実を確認したとき、当該乙に対し、再調査等の指示その他必要な措置を講じることができるものとし、当該乙はこれに従わなければならない。
7.本条第3項において、当該乙が甲の認める正当な事由なく最終報告書を提出しない場合又は本条第4項に定める報告が遅延した場合、甲は、ガイドライン等に基づき、当該乙に対し配分する本契約に係る翌事業年度以降の1か年度の一般管理費措置額のうち甲の指定する割合で一部削減する等、必要な措置等を指示できるものとし、当該乙はこれに従う。
8.乙は自らの調査により、本共同研究以外の競争的資金(研究終了分を含む。)において研究員による不正行為等の関与を認定した場合は、調査過程であっても、速やかに甲に報告するものとする。
9.甲は、本共同研究に関して不正行為等が行われた疑いがあると判断した場合、又は、乙から本共同研究以外の競争的資金における研究員による不正行為等への関与が認定された旨の報告があった場合、乙に対し、甲が必要と認める間、研究経費の使用停止を指示することができ、指示を受けた乙はこれに従うものとする。この場合、当該不正行為等がなかったことが明らかになったときでも、甲は、研究経費の使用停止に基づく損害を賠償する責を負わない。