目的
第1条 本契約は、本業務の遂行に伴い甲から乙に開示される秘密情報について、秘密保持を図ることを目的としてその取扱い等に関する基本事項を定める。 (秘密情報の定義)
第2条 秘密情報とは次に掲げるものをいう。
①本業務の遂行過程で甲が乙に開示する情報又は提供する媒体(文書、図形、写真、フィルム、磁気テープ、磁気ディスク及びこれらを蓄積したコンピュータシステム等を含む、以下同じ。)に記録されている情報
②本業務の遂行過程で乙が入手する情報又はアクセスする媒体(コンピュータシステム等への電気通信回路等を経由した接続利用を含む、以下同じ。)に記録されている情報であって、甲の技術上及び業務上の秘密性を有する一切の情報(甲が保有する個人情報に関する一切の情報を含む。)が含まれるものとする。これら情報は、秘密性がないと甲が特に指定しない限り、秘密性を有するものとする。
③秘密情報は、書面で開示される場合には、当該書面に秘密である旨を明示して受領者に開示されるものとし、口頭で開示される場合には、(a)開示者が、開示時点で秘密である旨を明確に示し、(b)開示後ただちに開示者が秘密である旨を明示した文書により内容を詳記して受領者に交付し、その文書の内容・範囲について書面により受領者の確認を得るものとする。
2 前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当するものは秘密情報に含まれない。
(1)開示を受けた時、既に公知の情報
(2)開示を受けた後、受領者の責によらず公知となった情報
(3)開示を受ける以前から既に受領者が適正に保有していたことを証明できる情報
(4)譲渡若しくは開示の権限を有する___から、受領者が適法に入手した情報
(5)開示された情報を使用することなく、自ら独自に開発・知得した情報
(6)秘密情報から除外することを開示者が文書で同意した情報
3 秘密情報の不正利用には、本契約に違反する一切の利用行為を含み、アクセス権限を有しない者による利用行為及びアクセス権限を有する者による権限を逸脱した利用行為を含むものとする。
4 秘密情報へのアクセス、秘密情報の入手、利用、開示・提供、持出という行為には、秘密情報を記録した媒体へのアクセス及び秘密情報を記録した媒体の入手、利用、提供・開示、持出という行為も含むものとする。
5 秘密情報の複製には、同一形式での複写・複製(以下、単に複製という)以外にも、電磁的データで記録された情報を紙に印字する行為、紙に記録された情報を電磁的データで記録する行為、コンピュータシステム等からのダウンロード行為、電気通信回路等を経由した送信等の行為を含むものとする。 (守秘義務)
第3条 乙は、本業務の履行にあたり、甲の開示した秘密情報を秘密として取扱い、厳重に管理するとともに、本業務の目的以外に使用し、又は業務従事者以外の第三者に開示若しくは漏洩してはならない。本業務にかかる契約が解除又は解約された場合にも同様とする。
2 乙は、自己の役員及び従業員(派遣社員、アルバイト等を含む。以下同じ。)に対し、その在職中及び退職後も前項の秘密情報に関する機密を保持する旨の義務を負わせるものとし、本契約の規定を遵守させるものとする。役員及び従業員がこれに違反した場合は、乙が本契約に違反したものとして、その責任を負うものとする。 (秘密情報の帰属と非保証)
第4条 全ての甲の秘密情報は甲に帰属し、乙に対する秘密情報の開示により、商標、特許、著作権及び他のいかなる知的財産に基づく権利も、黙示的であるか否かを問わず、許諾されたとみなされないものとする。
2 全ての甲の秘密情報は「現状のまま」で提供され、その正確性、とりわけ第三者の商標権、特許権、著作権等の知的財産権およびその他のいかなる権利も侵害していないことに対し、明示、暗示、若しくはその他の何らの保証を与えるものではない。 (非拘束性)
第5条 本契約は、本契約の条項を遵守する限り、本業務に従事する乙の役員及び従業員を他のいかなる業務に従事させることも妨げるものではない。
2 本契約に基づき秘密情報を開示した場合であっても、甲が乙に対し、売買・業務委託その他の契約の締結を約束するものではない。 (乙による具体的措置の実施)
第6条 乙は、本業務に直接従事する必要のある自己の役員又は従業員に対してのみ、かつ、本業務の履行に必要な限度でのみ、秘密情報を入手・利用させ又は開示・提供するものとする。乙は、甲の求めに応じて、かかる者の氏名・実施する業務等を記載したリストを提出し、その妥当性を説明するものとする。
2 乙は、秘密情報の管理にあたり、その不正利用を防止するため、下記の措置を含め、技術上及び組織上の最善の手段を講じるものとし、甲の求めに応じて、関連資料を添えて具体的措置の実施状況を説明するものとする。
(1)秘密情報へアクセスできる者を本業務に直接従事する必要のある自己の役員又は従業員に限定し、アクセスを適切に管理し、その履歴を保存すること。
(2)媒体がコンピュータシステム等の場合は、各人毎のID・パスワード等を適切に使用させ、かつ、ID・パスワード等を適切に管理させること。
(3)本業務を履行するための主たる作業場所を特定し、秘密情報を利用した作業の実施及び秘密情報を記録・蓄積した媒体の設置・保管は同作業所内に限定すること。なお、同作業場所の特定に際しては、甲の書面による事前の承諾を得るものとし、これを変更する場合も同様とする。
(4)秘密情報を記録・蓄積した媒体は、上記乙の作業場所内に設置された施錠等で遮断された保管設備内に設置・保管し、かつ、同作業場所への入退室及び同保管設備の開閉は本業務の履行に必要な範囲内に制限し、その入退室・開閉を適切に管理し、その履歴を保存すること。
(5)甲の書面による事前の承諾がない限り、秘密情報を複製しないものとし、複製する場合は、これを秘密情報として取扱うとともに、その複製履歴(複製日時、複製者の氏名、複製許可の有無(許可者の氏名)、複製情報の内容、複製目的・使途、複製物の保管場所・方法、複製物を破棄した場合は、その日時・方法及びその証明資料、等を含む。)を適切に作成し保存するものとする。
(6)甲の書面による事前の承諾がない限り、上記乙の作業場所から外に秘密情報を持ち出さない(同作業場所の外から電気通信回路等を経由して秘密情報へアクセスする場合も含む)ものとし、持ち出す場合は、持出履歴(持出日時、持出者の氏名、持出許可の有無(許可者の氏名)、持出情報の内容、持出目的・使途、持出情報の保管場所・方法、_持出情報を返還した場合は、その日時・方法及びその証明資料、持出情報を破棄した場合は、その日時・方法及びその証明資料、等を含む。)を適切に作成し保存する。
(7)秘密情報のうち甲が特に極秘である旨を指定した情報については、本契約に基づいて授受する必要がある場合でも、FAX及び電子メールを用いず、適切な方法で手渡しにより授受するものとし、また、その履歴(授受日時、授受者の氏名、授受許可の有無(許可者の氏名)、授受情報の内容、授受目的・使途、授受情報の保管場所・方法、授受情報を返還した場合は、その日時・方法及びその証明資料、授受情報を破棄した場合は、その日時・方法及びその証明資料、等を含む。)を適切に作成し保存すること。
(8)その他、甲が必要に応じて随時指示する事項を適切に実施すること。 (再委託又は下請に付す場合の措置)
第7条 本業務の全部又は一部の履行について、乙が甲の書面による事前の承諾を得て第三者に再委託し又は下請に付す場合、乙は、当該第三者(以下、「再委託先」という。)との間で本契約と同様の契約を締結し、本契約を遵守履行させるものとする。
2 乙が再委託先に対し秘密情報を入手・利用させ又は開示・提供する場合、乙は、甲の求める事項(必要な理由、対象となる秘密情報に関する事項、対象となる秘密情報の範囲、入手・利用させ又は開示・提供する具体的方法、再委託先の管理に関する具体的措置、等を含む。)を記載した書面を事前に提出し、甲の承諾を得るものとする。
3 再委託先が本契約に違反した場合は、乙も本契約に違反したものとして、その責任を負うものとする。 (乙による指導監督等)
第8条 乙は、本契約の目的を達成するに充分な技術と経験を有する者を情報管理責任者として選任し、必要に応じて随時、自己の役員又は従業員及び再委託先がいる場合はその役員又は従業員による秘密情報の取扱い状況を調査確認させ、秘密情報の適切な管理のため指導監督させ、本契約の遵守を周知徹底させるものとする。
2 乙は、甲の求めに応じて、前項の実施状況について、関連資料を添えて甲に対し報告するものとする。
3 乙は、乙及び再委託先の役員又は従業員が本契約に違反した場合、その内容及び乙の措置を速やかに甲に報告するものとする。甲は、原因解明及び今後の防止策等について、必要と判断する事項を乙に指示又は要求することができるものとし、乙はこれに従うものとする。
4 乙は、本契約の目的を達成するため、関連法令及びその他の関連基準等を遵守するものとし、必要な措置を適切に講じるものとする。 (甲による調査等)
第9条 甲は、乙による本業務の履行状況を調査・確認するため、何時も本業務の履行に関連する乙及び再委託先の作業場所及び事務所等に立ち入り、秘密情報の管理体制及び関連資料を調査することができるものとする。
2 甲が、乙及び再委託先の役員又は従業員による秘密情報の管理状況を不適切と判断し、その旨を乙に通知した場合、乙は速やかに適切な処置を実施し、その結果を甲に報告するものとする。
3 甲は、前項の場合、乙及び再委託先の役員又は従業員に対し、必要と判断する事項を直接に指示又は要求することができるものとし、乙は、これらの者にこれに従わせるものとする。 (乙による違反)
第10条 乙が本契約に違反した場合、甲は本契約及び本業務にかかる契約を直ちに解除又は解約できるものとする。
2 前項の場合、乙は、本契約及び本業務にかかる契約の解除又は解約の有無にかかわらず、その違反により甲に生じた全ての損害を賠償するものとする。 (秘密情報の返還)
第11条 本契約が期間満了、解除又は解約により終了した場合若しくは甲から秘密情報の返還を求められた場合、乙は当該秘密情報の使用を直ちに中止し、受領した秘密情報(その複写・複製物も含む。)を速やかに甲に返還するものとする。但し、返還に代えて破棄処分することを甲が書面で指示した場合は、受領者は、再利用等を防ぐため厳重なる注意をもって破棄するものとし、その破棄方法について事前に甲の了解を得るとともに、事後にも処分結果を報告するものとする。 (紛争の解決)
第12条 本契約の記載事項又は本契約に記載のない事項に関して疑義等が生じた場合、甲乙誠意を持って協議し、できる限り円満に解決するものとする。
2 本契約は、日本法に準拠し、同法に従って解釈されるものとする。 (有効期間)
第13条 本契約は、本契約締結日から発効し、本業務終了日まで効力を有するものとする。
2 本契約の第_条、第_条、第_条及び第_条の規定は、本契約が期間満了、解除又は解約により終了した後も効力を有するものとする。 (補 則)
第14条 本業務の遂行過程において、乙の秘密情報が甲に開示される場合においては、その秘密情報の範囲及びその取扱い等について、甲乙協議して定めるものとする。
(後文)
以上を証するため、本契約書2通を作成し、甲乙記名押印のうえ各1通を保有する。